トップページ > 肺胞蛋白症とその治療 > 肺胞蛋白症の臨床像
・成人発症の肺胞蛋白症の90%
・好発年齢 50歳代
・男女比 2.1:1
・職業性粉塵吸入歴のある症例が4分の1を占める。
・血清中に抗GM-CSF自己抗体が存在
・予後は比較的良好。稀に呼吸不全が進行し、死亡する。
・無症状は約30%。症状として頻度が高いのは、労作時呼吸困難、咳そう、痰など。発熱は稀。
・画像所見に比べて症状・理学所見が乏しいことが特徴である。
・成人発症の肺胞蛋白症の6%
・好発年齢 40〜50歳代
・男女比 1.5:1
・基礎疾患として血液疾患(特にMDS)、呼吸器感染症、自己免疫疾患がある。
・血清中抗GM-CSF自己抗体は陰性
・予後は不良(2年生存率49%、5年生存率35%)。
・殆どが有症状。症状は原疾患により多様である。発熱は22%の症例にある。
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patchy geographic pattern |
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sub pleural sparing |
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メロンの皮様所見(crazy paving appearance) |
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びまん性パターン(Diffuse pattern) |
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地図状パターン (geographic GGO pattern) 男性 ベーチェット病、MDS |
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diffuse GGO pattern 男性 MDS |
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胞壁肥厚パターン (septal thickening pattern) 女性、MDS |
・約50%が低酸素血症(PaO2<70 mmHg)動脈血炭酸ガス分圧は正常。%VCは正常であることが多いが、進行すると低下する。%DLcoは初期から低下する。一秒率は正常。
・CRP、ESRは感染の合併がないかぎり、正常。
多血症を呈する症例もある。
・血清KL-6、CEA、SP-A、SP-D、LDHが高値となる。他のびまん性肺疾患(特発性間質性肺炎、サルコイドーシス、膠原病肺)でも高くなるが、有意にそれらよりも高値となる。
・KL-6、CEAは A-aDO2と相関する。
・気管支肺胞洗浄では、肺胞蛋白症に特徴的な外観-ミルク状を呈する。進行すると細胞数(特にマクロファージ)が 減少する。
・%VCは正常であることが多いが、進行すると低下する。%DLcoは初期から低下する。一秒率は正常。
・血清 KL-6、CEAが高値となる。他のびまん性肺疾患でも高くなるが、有意にそれらよりも高値となる。SP-A、SP-Dも高値となるが、他の肺疾患と有意差はない。
・KL-6、CEAはA-aDO2と相関する。
・気管支肺胞洗浄では、肺胞蛋白症に特徴的な外観-ミルク状を呈する。自己免疫性と異なり、多くの場合、細胞数は増加する。リンパ球、好中球の割合が増加する。
気管支肺胞洗浄液では、肺胞蛋白症に特徴的な外観-ミルク状(米のとぎ汁状)を呈する。進行すると細胞数(特に マクロファージ)が減少する。好酸性に染まる無構造物と泡沫状マクロファージが特徴である。泡沫状マクロファージは40〜50ミクロンと大型であるが、核は小型である。
気管支肺胞洗浄液では、肺胞蛋白症に特徴的な外観-ミルク状(米のとぎ汁状)を呈する。泡沫状マクロファージが見られるが、核が異型なものが散見される。特発性と異なり、多くの場合、細胞数は増加する。リンパ球の割合が増加する。